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まどろみ

私がこうして眠り続けているのは悩んでいるからに他なりません。
それはまるで真っ白なキャンバスのどこに筆を置くべきか悩んでいるかのような、
それはまるで詰んだ将棋にまだ勝機があると信じて次の一手を悩んでいるかのような。
前が分からず、後ももうない。
行き場のない悩み。
その答えもヒントも見つからず、見つけられず、見つける手段すら見つけられず、
ただ時は刻々と過ぎ、
眠るようにして悩みから逃げるのです。
時はこうして淀むことなく流れている。
着実に、正確に刻んでいる。
私にとってのそれは緩やかで、お昼休みにふっと一息ついたような時間でしかないのに、
周りのそれは私よりも遥かに早く、それはもう早送りで流れているかのように過ぎてゆき、
いつしか私は置いていかれてしまっていた。
気づけばそれは恐ろしく、気づくことすら虚ろな瞼の裏側にしまいこみ、
まるで夢幻であったかのようにまどろみ、全てはうたかたの夢となす。
私の日々はこうして繰り返し流れる。
前もなく、後もなく。
同じところを永遠と。
終わる、その日まで。
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theme : 詩・想
genre : 小説・文学

tag : ポエムエッセー

気がつけば年末で

お久しぶりです。
毛利鈴蘭です。

気がつけば年末になっておりました。
思えば去年の11月に社会人としての第一歩を踏み出し、日々切磋琢磨してきたわけですが、それはもう本当にあっという間の一年で、ブログの更新も全くせずに今年を終えることになりました。
いやはや時間とは驚くほど早く流れるものなのですね。
一日一日が一瞬で過ぎ去り、一ヶ月、いえ一年前ですらまるで昨日のことのようです。

さて、そんな私が今こうしてブログを更新しているのは決して仕事が一段落ついて年末休暇に入ったからとかではありません。実は私つい先日仕事を辞めまして、現在失業中なのです。
いやはや。
そんなわけで、また求職者に戻ってきたという次第ですが、一年間仕事に明け暮れた今となっては価値観が全然変わってしまっていました。
ブログを読み返したり、昔書いた小説や詩を読みつつ以前の私を思い出そうとしますが、いまひとつピンとこないものです。
ああ、あれがモラトリアムというやつだったのかなぁ、なんてしみじみ思うわけです。

人なんてそうそう変わるものではないなんて思っていた時もありましたが、大きな環境の変化は僅か一年でこうも人を変えてしまう。そう思うと人とは本当に面白いものだなと思います。良くも悪くも。

さて、私も良くも悪くもなんらかの変化があったところで、それを今後にどう繋いでいくのか。
もし、また物語を描くのならば、どんなものになるのでしょうか。
以前の毛利鈴蘭を知っている人もそうでない人も、新しい毛利鈴蘭をどうぞよろしくお願い致します。


2012/12/26
毛利鈴蘭


theme : 日記というか、雑記というか…
genre : 日記

ツキアカリ


仕事帰りの歩道。端に等間隔で並ぶ街灯を見つめていると、その中に半欠けのお月様が混じっていた。
「そんなところに並んでどうしたんです?」と問いかけると、お月様は照れくさそうに言った。
「いやぁ、もっと近くで道を照らしたくってね。今日の姿なら気づかれないだろうと思ったのだが」
 楕円形をした姿と街灯の形を見比べながら、お月様はやれやれと苦笑いをしながらため息をついた。
「さて、見つかってしまったことだし私はいつもの席に戻るとするよ。夜道は暗いからくれぐれも気をつけてな」
 お月様はそう言うとふわっといつもの高いところへ帰って行った。
 いつも高いところから見下ろしているだけかと思っていたけど、案外心配性なんだなあと少し可笑しくてくすくすと笑みがこぼれた。

 いつもと同じ帰り道だったけど、ほんの少しだけ違う帰り道での出来事。
 明日もあなたは見てくれているのかな、なんて。
 そんなことを考えているとちょっぴり足取りが軽くなった。

theme : 詩・ことば
genre : 小説・文学

tag : ポエムエッセー短編

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

昨年は私にとって大変出会いと別れの多い一年でした。
大学を卒業し、某企業で就職支援を受け、そして今の企業に入社。
多くの仲間・先輩に出会い支えられ、そして旅立ちまた出会う。
この一年いったいどれだけの人のお世話になったことでしょうか。
そして、その中でどれだけ私は成長できたことでしょう。

今年は振り返る間でもなく学ぶことだらけの毎日で、一日一日があっという間に過ぎていきました。
それと同時に時間の大切さを心底感じました。

最近はブログや小説の更新が途絶えており大変申し訳ございません。
今年は去年よりは自分の時間を作れるだろうと思いますので、
なんとか少しずつでも更新していこうと思います。


いつも箱庭に足を運んでくださっている皆様、
どうぞ本年もよろしくお願い致します。

今年も皆様にとって良い一年であることを願っております。


2012/1/1
毛利鈴蘭

theme : 新年
genre : 日記

読書の秋にオススメのアプリ

近頃、肌寒い日が続き秋の訪れを感じます。
皆さんは秋と言えば何を連想するのでしょうか。
運動の秋、読書の秋、はたまた食欲の秋など色々ありますね。
私は読書の秋を真っ先に連想します。
最近ではケータイ小説なども人気があるそうで、若い子たちもちょっとした時間に小説を楽しんでいるのでしょうか。

実は私も最近よくスマートフォンで小説を読んでいます。
今まではケータイで小説を読むのは好きではなく、どうしても敬遠しがちでした。
しかし、最近とても良いアプリを知りまして、それからというもの通勤時間や休憩時間などちょっとした時間にスマートフォンで小説を読むようになりました。
そのアプリというのは『縦書きビューワ』というものです。
詳しい記事は以下のサイトに載っているので割愛します。

andronavi『縦書きビューワ』

このアプリの素晴らしいところはまず、縦書きであるところ。
そして、画面の背景と文字がまるで文庫本そのものであるところです。
ちょっと茶色がかっていて、しわの付いたページ。そしてやや薄い印字。
こういった部分に味があるなぁと感じている私にとって、これは衝撃的でした。
このアプリのおかげで今はなんの抵抗もなくスマートフォンでの読書を楽しんでいます。

スマートフォンをお持ちで読書が好きなあなた!
『縦書きビューワ』ぜひ試してみてください。

theme : 雑記
genre : 日記

tag : 雑記小説アプリアンドロイドスマートフォン縦書き

のっぺらぼう


私はのっぺらぼうだ。
無表情で心は冷えきっている。
でも私の顔は鏡だ。
あなたが笑えば私の顔は笑顔になる。
あなたが泣けば私の顔も悲しげになる。
私はもっと笑っていたい。
にこやかに、穏やかに、そんな優しくて明るい、幸せな顔をしていたい。
そのためには、あなたの笑顔が、幸せが必要だ。
だから私はあなたを笑顔にする。幸せにする。
そう、決めたんだ。

theme : 詩・ことば
genre : 小説・文学

tag : エッセー

最大の敵


私が今、ぶち当たっている壁の正体は他でもない私自身である。
最大の敵は己の中にあるとはよく言ったものだ。
どんなに事を理解していようと、乗り越えなければいけない時であろうと、それは常に立ちふさがろうとするものである。
人はそれをまったく意識することなく打ち勝つ時もあれば、足を取られ、もがき苦しむ時もある。
私という敵の存在は原点にして頂点であろう。
ここさえ通過してしまえば人はその意思を持ってして前進していくことができる。
そして、それは常に繰り返され続けることである。

思わぬ瞬間、人はそれに足を取られ躓く。
躓いて這いつくばった時、人は心の底にある暗く、冷たい部分と向き合う。
ここから抜け出すには、今まで見ていなかったものに目を向け、耳を傾けるほかない。
それに気づき、目と耳を傾けた時、大きな収穫と共に再出発することができるであろう。

最大の敵はいつだって手強い。
しかし、それに打ち勝った時に手にする戦利品は、それに見合っただけの価値あるものである。

theme : 詩・ことば
genre : 小説・文学

tag : ポエムエッセー

夜型の君。3

夜型の君。2

夜型の君。3



 最近会うことのなかった夜の彼と久々に会った。陽が高く上っても、ぼくがこうして膝をかかえて引きこもっていたからだ。
「よう。最近結構調子良さそうだったのにな。どうしちまった?」
 彼はぼくと背中合わせに座り込んで言った。
「うん。まぁ、何て言うかさ、なかなかうまくいかなくて……」
「そっか。ま、頑張っててもうまくいかないことだってあるさ」
「ぼく、もう疲れちゃった……」
 そう言ったぼくの顔はきっと酷かっただろう。彼が背中合わせに座ってくれて本当に良かったと心底思った。
「おまえはさ、勝手だよ。調子の良いときははしゃいでるくせに、うまくいかなくなると直ぐにそうやって閉じ籠る。面倒見切れないね」
「あっ……、うん……そう……だよね」
 正直、彼の返答は予想外だった。なんだかんだ言って世話焼きな彼のことだ。弱音を吐けば優しい言葉を返してくれると、そう思っていた。ぼくはとんだ甘ちゃんだ。彼だってうんざりするはずだ。
 ぼくは膝に額を付け、ますます小さくなった。すると彼は徐に立ち上がった。かと思うと急に背中に強い衝撃を受けた。驚いて振り返ると彼は苛立った表情をしてぼくを見下ろしている。ぼくは背中を蹴られたのだ。
「おまえさ、ほんっといい加減にしろよな。そうやってなよなよくよくよしてさ、そうやってれば誰かがやさしくしてくれるだろうとか思ってんだろ!? そりゃ声かけてくれるさ! みんな優しいもんな! で? おまえはそれで満足なのか? なんか解決すんのかよ!」
 彼は息巻きながらそう言うと、ドカッともう一度ぼくを蹴った。というよりも蹴り出した。
「ほらっ、ここから出て行け! ここは元々俺の空間なんだ。もう二度と来るんじゃねぇ!」
 彼に圧倒されぼくは逃げ帰るようにしてここから離れた。振り返る余裕なんてその時にはなかった。ただただ後を追われるようにしてぼくはオアシスから立ち去ったのだ。

theme : 自作連載小説
genre : 小説・文学

tag : 小説自作小説

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